「
上戸」を出た後、私達は三豊市にある謎のコーヒー屋さんに向かいまして…。
…何故かお腹が一杯になってしまいました。
その次に向かいましたのは、丸亀の"やお"こと
「中村うどん」です。
飯山の「
なかむら」の弟さんがやっているうどん屋です。
讃岐でもあまりない細麺を出すお店でもあり、最近では麺通団の書籍「超麺通団4」の巻頭で紹介されていました。
「なかむら」は畑からネギを抜いてくるエピソードが有名になるくらいにのどかな風景の中に建っていて、素朴な外観をしていますが、こちらはビルの一階にありまして、その分だけ都会的な面構え。
今回の渡讃で、私が最も行きたかったお店です。
実は3年前に渡讃した時にも連れて行っていただいたのですが、その時は定休日(金曜定休)のためあえなく撃沈。それもあって、今回はこのお店のために出発日をわざわざ定休日からずらしました(笑)。
お昼頃の訪問で、15人ほど入れば一杯になってしまいそうな店内は満席。行列は外に5人ほど。釜前のおじさんがお客さんをテキパキ仕切っていました。玄関先にはお土産うどんも積まれています。
行列の、私達の前のお客さんがいなくなって、私達の番になりました。
「何人ですか?」
「4人です」
「注文をお願いします」
「ひやひや」「ひやあつ(私)」「釜玉(奥さん)」「ひやひや」
「奥の席に座ってお待ち下さいね。釜玉の女性はそこで待っててね」
のそのそと奥に向かう私達。
釜玉を頼んだ奥さんも釣られて奥に行こうとして、おじさんに止められました(笑)。
なるほど。事前に集めていた情報で、注文で怒られるとお聞きしていましたが、確かに怒られるという程ではないにしろ、何だかピリピリしていますね^^;
奥の席に座り、店先でアワアワと孤立している奥さんを見ながらぼんやり待つ事数分。おじさんから、4人さーんと釜前に呼ばれました。
そこでうどんを受け取り、後にあるスペースでのダシの注ぎ方やらの説明を聞き、なんやかんやえっちらほっちらとやって、ようやくうどんが完成です。
何年越しかの念願かなって、ついに中村のうどんに相まみえる事が出来ました。
黄金色の透き通ったダシと繊細ではかなげな雰囲気を醸し出すうどん。先に食べ始めた周りから、
「おおっ!」とか
「うおっ!」とか声が上がっています。これは早く食べねばと、カメラを置いて一口ずぞぞっと。
…うぅ、
うまーい!
うどんは微妙に太さの違う細麺。意外と表面はザラザラしていて、織物の様に歯を刺激し、ふるふると口内を滑り落ちて行きます。
食べて思い浮かんだのは、関内「
上杉」のうどんを細くした感じですが、上杉のそれよりも洗練された印象を受けます。
ダシもイリコを効かせながらも苦味はなく、丸い旨味を感じさせる非常に美味しいもの。これは行列が出来て当然ですね。他ではなかなか味わえない個性的な美味しさです。
奥さんの釜玉も一口いただいてみました。(また赤天とか付けてるよこの人は^^;)
こちらはうどんの柔らかさが強調されて、さらに釜揚げならではのぬめり、それに卵が加わって、すすらなくてもどんどん口の中にうどんが溢れこんで来ます。まさしく噛まずに飲めます。こちらも美味しくいただけました。
ちなみに、後で車内会議をした所、冷たいうどんの方が好みというお声が多かったです。うーん。私は選べないなぁ^^;もし一人で来ていたら、もう一回並んでいたかもしれません。
長年思い続けていたうどんは、まさしく私が理想として思い描いていた通りの味でした。
雰囲気が少しピリピリしていたり、苦手な所も正直あるのですけれども…。それ以上に、このうどんをいただけたのが嬉しくて仕方がなかったです。