稲荷町の「春仙」が今年の6月を以って閉店する事を、上野経済新聞で知りました。なんでも大将がオーストラリアの永住権を取得したそうで、夢だったオーストラリア出店に向けてのことなのですとか。
これは食べに行かねばと会社帰りに立ち寄ることに。
この日は、いつも店内の黒板に書かれていながら頼んだことのなかった「かま玉」。それも「かま玉かけ」を頼んでみました。
春仙の釜玉には三種類あり、それぞれ「かま玉生じょうゆ」「かま玉ぶっかけ」「かま玉かけ」となっています。香川の名店「山越」で発祥したと言われる釜玉は、いわゆる釜揚げうどんに卵を絡めて半熟状にし、生醤油で味を整えるもの。つまりここで言うメニューでは「かま玉生じょうゆ」がそれに当たります。
しかし「かま玉かけ」は聞いた事がありません。そもそもかま玉にかけダシをかけたら、「かきたま」みたいになってしまうのではないでしょうか?
なっていました。これは見事なかきたまうどんです。
でもお店からしてみれば、形など細かいことはお気にされていないのでしょう。かきたま状になった玉子は温かいダシに溶け、生醤油とはまた違った美味さを醸しだしています。
かま玉かけでは、最初からうどんにかかっているダシとは別にもう一つダシを出してくれます。しばらく食べたら上からかけて下さいね、との事。色がやや濃いのは卵とのバランスを考えてでしょうか。
香り高いダシはふんわりとした鰹節と、醤油の旨味が凝縮していてうどんに良く絡みます。
春仙のうどんは繊維がギュッと詰まった様な固めの歯ざわりと甘味が特徴です。釜揚げでもそれは変わりません。熱でやや柔らかくなっているとはいえ、歯に軋む様な食感は、自身が春仙のうどんであると強烈に主張して来るかの様です。
そして、春仙のうどんにはきっちりと甘味があります。それがダシや具材、玉子とバランス良くお互いを引き立てあって、釜玉かけという1メニューの完成度を限りなく高めてくれます。
丼から顔を上げた時、無意識に頬が緩んでしまいました。目の前の一杯が美味しかった証拠ですね。
帰り際に大将にお店閉めてしまうんですか?オーストラリアに行ってしまうんですか?とお聞きしたところ、
「そうなんです」
と、いつもの柔和な笑顔に少年の様にキラキラしたものを含ませて答えてくれました。
数年後、春仙の名前をオーストラリアで見かける事が出来る日を、心より楽しみにしております!
※春仙は6/25(土)閉店です。6/25は昼のみ営業との事。
東日本大震災の影響もあり、先日までお休みをいただいていた稲荷町の
「春仙」が再開しておりました。
仕事が遅くなった日の夕食で利用させていただきました。
今まで何度かお邪魔した時は、その全てがほとんど満席に近い状態だったのですが、この日は珍しく先客0でした。まだ再開の件が周知されていないのかなーと思いましたり。
この日はどうしてもカレーが食べたかったので、ダシ煮込み牛肉カレーうどんを注文。
うどんの上には揚げ玉、わかめ、牛肉とネギ。カレーとダシは別に注がれていまして、この段階ではまだ混ざっていない形になっている様でした。
カレーは色こそ穏やかなのですが、旨味というよりはやや辛味の立つスパイシーなもので、汗が後から後から噴いて来て、それを中和する形でダシの旨味が追いかけて来ます。美味いけど熱い、美味いけど辛い~と言いながら少しずつ啜るイメージです。
揚げ玉とカレーは意外に合うのですね。美味しかったです。
うどんはこの日は茹でたてだったのですが、今までいただいて来た中で一番固い印象を抱きました。
温かいのですけれども、少し芯も残っていました。相変わらず味があって美味しいうどんなのですけれども。そこがちょっと残念に思いました。
黒板に「釜玉もありますよー」みたいな事が書かれていましたので、次回はそちらを頼んでみようと思います。
会社帰りに、最近良く噂を聞く春仙さんにお邪魔してみました。会社が上野なので徒歩10分程で到着。寒い日にはありがたい近さです。
夜の訪問でしたが、近くに外語学校があるらしく外国人の方がたくさんいらしていました。変わらず癒し系の大将の優しい笑顔にほのぼのとしてしまいます。
さぬき産極上しょうゆを使った生じょうゆうどん650円
寒い日でしたが、この日はとにかくうどんが食べたかったので生醤油を注文。茹で置きの様でしたが、前にお客さんもたくさんいらしていたのでそれほど時間は経っていない印象です。
うどんは綺麗なクリーム色をしたツヤのある美しいもの。いただくとガチコンとした歯応え。とはいえ茹できれていない訳ではなかったです。
表面はややザラっとした食感で、鼻と舌には粉の香りと甘味が乗って来て、あぁ、やはり春仙のうどんは美味しいですわーと再実感。
もちろん生醤油をかけて、一緒に出て来た天かすや葱を加えても美味しいです。うどんだけで充分に満足が出来る一杯でした。
4月1日、会社の事務の方が、銀行に行く途中でうどん屋さん見つけたよ!と教えて下さいました。折りしもエイプリルフールだったので、本当にあるんですか?と半信半疑でお聞きしたら…怒られました^^;
翌日、早速お邪魔してみました。店名は
「春仙」です。稲荷町駅の出口から田原町方面へ浅草通りを直線、最初にぶつかる歩道橋の近くにお店はありました。
お店の傍には看板があり、「うどんの本場さぬき塩江町から来ました 三代目春仙」と書かれています。ほうほう、大将は讃岐の方みたいですね。
綺麗でこじんまりとした店内は、カウンターと小さいテーブルが2つ。8人も入れば満席です。その隅には麺打ち台が置かれています。12時半入店で先客4人。しかしお昼時という事もあり、後からどんどんお客さんが入って来ます。若くて格好良く人当たりの良さそうな大将が、一人で切り盛りされていました。
メニューはすうどん450円から。ざるうどんやぶっかけうどん550円が続きます。天ぷらなどの種物はなく「ぜいたくどっさり肉きのこうどん」900円が一番高いメニューの模様。サイドメニューはわかめごはん150円のみ。ダシは温かいかけダシと冷たいぶっかけダシから選べるみたいです。
おでんの鍋があるのですが、中には何も入っていませんでした。夜専用で出されているのかしら?
今回はぶっかけうどんの大盛を注文。見込み茹でをしている様で、わりかし早く出て来ました。ただ、奥に見える厨房の釜は、一回でたくさんのうどんを茹でられる訳ではないみたいで、次の方は茹でたてが供されていました。
うどんは純白、形太さ不揃いでちょっとくぼんだ手打ちうどん。口に含むともっちりもっちりちょっと伸びもあり。ほのかに甘味も感じられます。おおおお!ちゃんとした讃岐うどんでビックリですよ。美味しいです。
ダシは醤油が勝った甘めの薄め。色はやや濃いのですが、さっぱりとしていて飲みやすくなっています。うどんと比べてこちらはかすかに讃岐よりの関東風という感じでした。
この近所では浅草の「
叶屋」や、御徒町の「
かがり火」と並ぶ、とても讃岐うどんらしい讃岐うどんでした。大将にご実家の事を聞いてみた所、塩江町の製麺所「佐藤製麺」を営まれているそうです(玉売りのみ)。
讃岐に行かれた際には是非お立ち寄り下さい、とはにかみながらおっしゃる大将に人柄の良さを感じて、何だかとても充実感を得られた訪問だったのでした。
会社の昼飯徒歩圏内にこんな本格的なお店が出来て、本っ当に嬉しいです!
前回の訪問から2日後、会社の人と一緒に再訪問してみました。
ぜいたくどっさりきのこ肉うどん900円+大盛100円
今回はここで一番高いメニュー、ぜいたくどっさりきのこ肉うどん900円を大盛りで注文。見込み茹でがないとの事で、ちょっと待った後に茹でたてが出て来ました。わーい。
前回同様の伸びやかでキュッとした麺は、温められてふんわりしたものへと変化。肉やきのこは薄く味がつけられていて上品に美味しいです。ダシも丁寧に作られているのを感じます。
…ですが、前回も感じたのですが、このダシが本当に薄味。前回のぶっかけダシもかなり薄味だったのですが、今回のものはそれに輪をかけて薄く、仕舞にはお湯でうどんを食べている様な印象に。普通盛りならまだ良かったのですが、大盛りではいくら麺が良いとはいえ、最後まで食べるのが厳しかったです。会社の方も皆揃って同じ印象みたいでした。うーんうーん、麺は良いのにー。何だかとっても勿体無かったです。
春仙
東京都台東区東上野6-1-7【
Map】
11:30~15:30 18:00~21:00
土日祝・月曜夜休