この日は、友達の車に乗せていただいて、長野県の温泉と蕎麦屋さんを堪能した後。友達と別れ、一人しなの鉄道は戸倉駅へとやって来ました。
ここへやって来た目的は、もちろん
温泉。 …ではなく。
いやそれもありますけれども。
そうではなくて。
この地域の郷土料理
「おしぼりうどん」をいただくためです。
駅から伸びる道を真っ直ぐ進むと橋があり、そこを渡った先に、目的地の戸倉上山田温泉が見えて来ます。
…え、しつこい?
いやいや、おしぼりうどんのお店はここ温泉街の中にあるんですよ!
千曲川から見て、手前にある温泉街が戸倉温泉。その奥にあるのが上山田温泉。
目的のお店
「古炉奈」は上山田温泉側の外れにある、創業100年を誇る手打ちうどんのお店です。
16時頃に訪れたら中休みで閉まっていたので、お店が開くまで近くの公共温泉「瑞祥」で一風呂(白濁、硫黄臭のするお湯。メチャ良いです)。
夜営業開始の17時を過ぎたのでお邪魔してみたら、鍵は開いている…しかしまだ店内が真っ暗です。今日はお休みかな…?と思ったら、女将さんが電気をつけてくれました。
…あ、危ない。危うくそのまま帰る所でした^^;
店内は大きいテーブル、カウンター、小上がりもある様で20人は入れそうです。
「名物手打ち鍋練りうどん」と書かれたメニューには、おしぼりうどん、おしぼりそばを始めとして、かき揚げ、ざるなど普通のメニューから、きのこ煮込みうどん、クルミダレうどん、すいとんなど独特なものまで並びます。値段はざる600円から。
今回は、もちろん名物のおしぼりうどんをいただきます。最初は冷たいうどんを注文したのですが、お店に貼ってあった説明文を読んでみたら、熱々のうどんでいただく…と書いてあったので、済みませんと温かいうどんに急遽変更。 お店も開いたばかりですし、まあゆっくり待ちましょう…と思ったら、思ったよりも早く出て来ました。8分位でしょうか。
お盆の上には、鉄鍋に入ったうどん、大根のしぼり汁、味噌、ネギ、そしておひたし。
以前、経堂の「花坊」でもいただきましたが、おしぼりうどんのおしぼりとは「絞り汁」の事。おしぼりうどんとは、辛味のある大根の絞り汁にうどんを浸して食べる、この地方の郷土料理です。
お膝元で食べるのは初めてなので、復習も兼ねて女将さんに食べ方を聞いてみると…まず汁の味を見てくださいとの事。
飲んでみると、ひぃぃぃぃ、やっぱ辛い!辛味が長続きしない分救われるのですが、鼻の奥がツンツンします。
その汁に、味噌を半分位混ぜてうどんを食べて下さい、との事。半分入れて…混ぜて…うぅ、やっぱり辛い^^;
後は味噌を足して調整してくださいと言われたので、いっそ全部投入~。おぉぉ、味がただ辛いだけのものから、大根ダシの冷たい味噌汁風味になりました。これならいけますですよ。
うどんは極太で真っ白。見た感じ釜揚げの様です。粘りは弱めで、ちょっと柔らかめの吉田うどんを彷彿とさせる食感です。ほんわかとした小麦の風味がほんのりと感じられます。どっしりとしていて、味噌と大根の風味に良く合いますね。
だんだん辛味にも慣れて来たので、ズルズル食べ始めた所…
ゲホゲホ!カウンターから女将さんが、啜るとむせますからゆっくり噛んで下さいね~と指導されました。はーい^^;
ちなみに今の時期の大根はまだ辛くないそうで、これから冬にかけて辛味が増すそうです。その時期の辛さ…うぅ、想像しただけで…鼻の奥が^^;
静かな空間の中、もぐもぐという音だけがしばらくお店に響き…そして、完食。どうもご馳走様でした~。
ゆるやかに時間の流れる温泉街の外れで、ゆっくりと時間を奏でる親しみやすいお店でした。郷土料理は、その雰囲気を含めてやはり、地元で味わってこそその良さがわかりますね。
ここは温泉も含めて、また来てみたいです。