車を出してもらって、博多から遠く離れた
「うどん屋 井戸」に連れていってもらいました。福岡果ての地、筑後吉井駅そばにあるうどん屋さんです。
お店のある吉井町は、「吉=良い」「井=水」で、昔から良い水が出ていたのでこの名前がついたのだとか。水といえば「
山越」の紹介でも良く、良い水とうどんの話が出て来ますね。地名からして期待してしまいます。
すぐ近くには吉井温泉、原鶴温泉があり、そこはかとなく鄙びた空気の中を、車は駆けて行きます。何だかこの辺、雰囲気が香川に似ているんですよね。ワクワクして来ます。
製麺所「長尾製麺」と道路を挟んだ向かいにお店はありました。
この長尾製麺は、素麺で有名な所です。以前「
どっちの料理ショー」の素麺vsパスタ対決で特選素材として紹介され、パスタを打ち負かしました。そんな長尾製麺で作ったうどんが食べられるお店が、長尾製麺に併設したこの「うどん井戸」なのです。
外でぼーっとしていたら、長尾製麺の方からお兄さんが出て来て、うどんでしたら中へどうぞーと導いてくれました。急いで作りましたといわんばかりの、木造のそっけない、でも綺麗な倉庫の様な店内にはテーブルが4~5個置かれています。14時の入店で家族連れの先客がいました。
メニューは4種類。かけ、ぶっかけ、野菜店、細切りざるのみです。まずは細切りざるを注文。10分ほどして出て来ました。ちょっと水切り仕切れていない細めの手打ち、捻じれたうどん。噛むとニュギュニュギュとしたコシがあって美味しいです。ダシはなんだか鰹の効いた素麺用のダシという感じでした。
続いてぶっかけ。15分ほどして出て来ました。ぶっかけと言うよりも醤油うどん。ダシ醤油と酢、生姜と昆布の佃煮を入れて食べます。
これは猛烈に好みの味でした。細切りより太い分、より押し戻しが強烈になった感じの、小麦の香りがふんわりと立ち昇るうどんに、さらにダシ醤油と酢、昆布の旨味が絡んでとても美味しいです。
相方はこの昆布の佃煮が気に入ったらしく、これをお土産で欲しいと言ってましたが、確かに持ち帰りたくなるのも納得の美味しさでした。後で聞いたら、ダシがらの昆布を使っているのだそうです。ダシがら、侮れません。
もっと食べたい!とかけうどんを追加注文しました。こちらは昆布ベースで鰹を効かせた、滋味溢れる感じの美味しいダシ。うどんは熱に負けずにちゃんともっちりしていました。
美味しかったので、おみやげに素麺をいくつか頂いて行きました。
以前テレビに出た際はこの素麺、3ヶ月待ちなどザラだったんだけどねー
もう今は全然。と笑うおばちゃん。しばらくこのおばちゃんの口撃に捕まってしまいました。とても楽しいおばちゃんでした。
美味しいうどん屋の条件、雰囲気を兼ね備えた素晴らしいうどん屋さんでした。もう全然と仰っていましたが、お土産の素麺もとても美味しかったです。