九州入り二日目。雪の降りしきる中、佐賀県に向かって車を走らせます。…とはいっても、私はペーパーなので運転は相方さんにお任せなのですけれども。

　最終目的地が嬉野温泉なのに、昼飯は呼子で取りたーい！と私がワガママぬかしたせいで、車は雪の海岸線沿いをドタバタ進んで行きます。　その途中、来る前に話を聞かせてもらって興味を持ったお店がこの近くにあると聞き、いてもたってもいられなくなり、無理言ってそこに寄らせてもらう事にしました。

　お店の名前は「棚膳」。しかし店名よりも、その道の人にはラーどんのお店と言った方が良く通る様です。　唐津へ抜ける、２０２号線沿いにお店はあります。看板には「焼肉・讃岐うどん・そば」の文字。いかにも素通りしてしまいそうな怪しげなお店です。でも店先には「九州食べ歩き１００選」の小さい看板がぶら下がっていたりします。

　営業中の看板が倒れていますね…って、あれ？店内が暗いですよ？もしかしてまだ開いてない…？　外から覗いていますと、女将さんが中から出て来て、ごめんねー１１時からなのよねー…と頭を下げられました。時計を見ると１０時半です。うわー残念、あと少しだったのにー。と肩を落とし引き返そうとすると、良かったら今開けてあげるから食べてってとの事。
　え、良いんですか？
　そんな訳で女将さんと中にいた大将にお礼を言いつつ、中に入れて頂きました。店内は結構広く綺麗です。カウンターも焼肉用のテーブルもあったりして、この場所にしては妙に本格的です。

　メニューには噂のラーどんの説明がありました。要するに、ラーメン＋うどんでラーどんなのです。
　という訳で出て来ましたラーどん。自慢のスープは鶏ガラと骨の髄をベースに様々な野菜と煮込んだもの。うどんはラーどん特製の「しくらめん」を使っているとか。

　スープは、…えーと。私ラーメンは全然わからず申し訳無いのですが、とんこつっぽい香りがチクチク入る鶏ガラベースでしょうか。うどんは細めでモッチリモッチリとしたもの。スープがスープなのでさすがにこの一口目はものすごい違和感があります。でも何口か啜ると慣れてしまいますね。具は錦糸玉子やワカメや胡麻やキクラゲ。きっと、うどんの具材としてのそれを意識しているのだろうなぁと思います。　ちなみに、きしラーどんもあったので頂いて来ました。こちらもピロピロとしたきしめんがスープを吸って美味しかったです。

　メニューだけ見ると少しドキッとしてしまうのですが、出て来たものはしっかりと作ってあって普通に美味しくいただけました。食べ歩き１００選に選ばれたのは伊達じゃないですね。